これであなたも企業価値がわかる!簡単な2ステップ(「知ってそうで知らなかったほんとうの株のしくみ」の感想)
いざ株式投資を初めて見ると難しいのはその妥当性。
「割安株の狙えと言うけど、この銘柄の今の株価は割安なの?」
と思ったことはないでしょうか。
私はいつも思います。
株価の妥当性を有名な指標としては
「PER(株価収益率)」、「PBR(株価純資産倍率)」などがありますが、
調べてみるとそれも業種などによって異なるし、
そもそもPERが安いからといって投資しても利益にはならない。。。
じゃあどうすればいいんだよ!という不満に対し、
正解かは分からないけどある一つの参考値を教えてくれるのがこの本の中身です。
重要な点だけまとめると、
①株価の妥当性は「企業価値」から算出する
②投資価値の検討は価値の源泉を考える(「現在の結果→現在の原因→将来の見通し→将来の利益」)
ということになります。
ただこれだけでは分からないと思いますので簡単に解説を。
①株価の妥当性は「企業価値」から算出する
これは企業買収の際にその企業の価値を算定する際に使われる手法を
簡易的に計算し、株価の妥当性検証に使用するというものです。
細かい数字の根拠は本を読んでいただくとして、算出式は以下となります。
企業価値=「事業価値:営業利益×10」+「財産価値:(流動資産ー流動負債×1.2)+投資その他の資産」-「固定負債」
株式を買うことを、企業の一部を買うという観点に立って計算したものです。
私の感想としては、これが絶対的な正解ではないだろうと思いますが、
(というか絶対値として妥当な株価なんてものはないのかも)
投資をする際の一つの基準として、
「この価格はある程度妥当か?高すぎる水準まで行っているか?」を
確認するツールとして使うようにしています。
②投資価値の検討は価値の源泉を考える(「現在の結果→現在の原因→将来の見通し→将来の利益」)
上記で割安だったとしても、今後業績が低迷する企業では意味がありません。
それでは今後成長する企業をどう見極めるのか?というのが2番目になります。
具体的には
1.現在の結果(業績)を見て良し悪しを見る
2.その結果(業績)を生み出した背景を考える
・高成長は以下によって生み出されやすい
「市場の魅力度」(需要の伸び、競合の少なさ)
×
「ビジネスモデルの有望度」(高い利益率、横展開の可能性)
3.それが将来どうなるか?を考える
4.それによる将来の利益、成長状況を考える
特に将来の予想は簡単なことではありませんが、
ファンダメンタルを重視する投資家にとってはそこが個人の強みとなりうる部分なので
私も諦めずに考えることを続けていきたいと思います。
こちらの本には具体的な銘柄を使用した企業価値算出の例や、
投資スタンスや感情の罠など、投資家が成長するために必要な定性的部分も記載されています。
非常に良書だと思いましたので、ぜひ機会があればお手にとって見てください。